2011年8月の独り言

15日(月)朝は少し激しい俄雨が降って、その後晴れに。

先日、毎年恒例のトーキョー二人旅に行って参りました。もちろんお目当ては落語!
上野鈴本演芸場の前にて、ワクワク最高潮であります!

この日のお目当ては喜多八さん。「へっつい幽霊」最高でした。あと、権太楼さんも面白かった!グウタラな感じのおかみさんの雰囲気がなんとも可笑しくて。
夜には、東京在住のHさんとNさんと三人でお食事。あんな話こんな話を伺いました。Hさんの合唱との関わりのお話や、Nさんの下積み時代のお話、またお二人それぞれの立場からのお話など伺えて、なかなか貴重な時間となりました。18時にお店に入って、気づけばなんと23時!連れて行って下さった餃子屋さん、二度目ですがやっぱり美味でした!

二日目の演芸場は浅草。笑点メンバーが出演という事もあって、お客様の入りも初めから満席に近いものでした。小遊三さんの「替り目」は、酔っぱらいの様子が可愛くて面白かったなぁ。昇太さんは「ストレス」のネタ。これ前も聞いたのですが、やっぱり面白い。自虐的なマクラからの本題、って感じで(笑)。演芸場から少し歩くとスカイツリーが見えました。ダンナくん撮影による、毎度おなじみ「それを撮ってるワタクシ」。

夜は去年も行った五反田のグリルエフ。今回は初めて二階のお座敷で頂きました。
携帯で撮ったので、ちょっと粗いめの画質ですが。

何気ないサラダが美味しかったり、ビーフシチューの野菜に大根が入っていたり、ハンバーグに乗っかった目玉焼きの具合が絶妙にワタクシの好みだったり。実にしゃーわせでございました。

三日目は、直前に思い立って靖国神社へ。宿から近かったのと、今ちょうど三善晃さんの「その日ーAugust6」(詩:谷川俊太郎さん)や信長貴富さんの「Fragmentsー特攻隊戦死者の手記によるー」、高嶋みどりさんの「女の肖像」(詩:茨木のり子さん)を同時に勉強しているという事もあって、そういう年回りかな、と思った次第です。

暑い日だったけれど、続々と参拝の方が来られていて、その様子を木陰の休憩所で眺めながら、ダンナくんと少し話をしました。ワタクシたちは、戦争体験者と直接繋がる最後の年代なんですよね。経験者じゃないから伝えられないんじゃなくて、でもだからって知ったかぶりするんじゃなくて。「本当のところを肌で知る訳じゃないけど、見聞きした事を何かの形で伝えなきゃいけない」という思いは、ワタクシたちの年代の人に多かれ少なかれあるんじゃないでしょうか。なぜそう思ったのか、それを伝えなければ。実際にその体験をした人たちが必死で作った社会に、ワタクシたちはこうして暮らしていられるのですから。

参拝を終えて、まずはお昼。有楽町交通会館の「桃園」で大好物のやきそば(皿うどん)。

その後、銀座へ移動して「鹿の子」で涼やかなお菓子。手前はダンナくん注文の冷やしぜんざい。奥はワタクシが頂いたかき氷(正式名称を失念)。氷の中にあんこが入ってて、上に栗と大きな豆(これがまた超美味!)が乗ってて、実に美味しゅうございました。

やっぱりライブっていいなと再認識したこと、自分の好きな事を仕事にしているからこそのジレンマ、そして靖国参拝。いろんなことをまた考えたトーキョー旅なのでした。休みの日を合わせて今回も旅を実現させてくれたダンナくんに大感謝です。

25日(木)くもりがち。所によっては雨降り。

昨日は、四つの大学男声合唱団(北海道大学、横浜国立大学、信州大学、同志社大学)によるジョイントコンサートがあり、その合同ステージでピアノを弾きました。指揮は伊東恵司さんでした。

今回取り上げられた作品は、信長貴富さんの「Fragmentsー特攻隊戦死者の手記によるー」。ワタクシが以前FM放送でバリトンの宮本益光さんのソロによる演奏を聴いて「死ぬまでに一度演奏したい!」と思っていた作品が、信長さんご自身の手によって男声合唱にもなっていたのです。楽譜屋さんのサイトで合唱譜が出版された事を知り大喜びで早速購入、その直後に依頼があったという巡り合わせなのでした!これはもう運命ですね!(←思い込み強すぎ?)

各大学のOBであろう方々の姿もたくさんあり、満員のお客様に恵まれたアルティで、特攻隊の若者の叫びが約120名で再現されました。命をギリギリに追いつめられたその若者たちの言葉には、強い誇りと潔さ、故郷や親兄弟を思う心、怒りや悲しみに崩れ落ちそうな脆さがあって、思わずぶちまけられた本音には胸がつぶれる思いでした。その全てを最後の音に託して弾いたつもりです。怒りとも祈りともつかない、今までに出した事のないような音。それが延ばされている間、聴いて下さった皆さんの脳裏には一体どんな思いが去就したでしょうか。

この演奏を聴くために、東京から信長さんがいらっしゃいました。まさに特攻の若者と同じ年代での演奏を聴いてみたかったのだそうです。「良かった!」と言って下さいました。
打ち上げ会場にて、久々のスリーショットです。

この曲を演奏するのに、やはり行かずにはいられないと、伊東さんは夏前に鹿児島の知覧特攻平和会館までいらしたそうです。「九州での仕事の時にちょっと足を伸ばして。」とはおっしゃっていましたが、超多忙なスケジュールの合間を縫っての訪問、やはりこの作品に対する思いはひとしおだったという訳です。

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