2010年3月の独り言

2日(火)どんよりと暗い空。

ついに弥生ですね。さすがに気温が上がってきました。梅があちこちでほころんでいます。皆さん、香りはもう味わいましたか?

一雨ごとに蕾がむくむくと成長するこの季節、人もある意味そうかもしれません。そばにいた大切な仲間や先生との別れに涙して、一歩前に歩き出します。これからどんな人と出会って、どんな栄養をもらって、どんな花がこれから咲くでしょうか。別に学生に限った話ではありません。ただ日向にいればいい、というものではなくて雨も必要、風に乗っていろんなものが運ばれてきて、土にかえり栄養となる。要らないと思っていたものが、ある日必要だったのだと気づいたりします。ただ前へ前へ、というのではなく、いろんな事を振り返って考える、春というのは実はそういう事に向いている季節かもしれません。秋ほど感傷的ではなく、比較的すっきりと気持ちに整理がつきそうに思うのですが、いかがでしょうか。


11日(木)ここ数日なんだか寒い。

1月に亡くなった同級生Mさんを偲ぶ会をしようという事で、何人かが具体的にいろいろ動いてくれて、4月に開催される運びとなりました。
会の案内状に「何か思い出の品や写真などあれば持ってきて下さい」とあったので、手元のアルバムや整理しきれていない写真など引っ張りだしてみたものの、確かにしまってあったはずの写真が見当たりません。こういう時、整理しておく性分でない事が恨めしくなります(苦笑)。押し入れの奥までガサゴソ、あるダンボール箱の中に、いろいろ突っ込んである紙袋を発見、中身を見てみると子供の頃の懐かしい写真や、亡き父の若い頃の写真などが出てきました。バラで入っているスナップ写真の中に学生時代の物が紛れて入っており、その中に彼女の写ったものがありました!スコアリーディングの授業だったでしょうか、卒業間近の頃に最後の授業を茶話会にしたのです。受講者は同学年のピアノ科のみでした。一枚はたまたま近くに座ったMさんやワタクシを含めた4人、もう一枚は担当の貞広先生を囲んでピアノ科14人全員写っています。せっかくなので、全員写真の方をダンナくんに頼んで引き延ばしてもらい、少し明るさを調整してもらいました。持っていってみんなで見たいと思います。

写真の加工をしているダンナくんに、その頃の話をしました。いろいろ思い出して懐かしく、また一方では「もう二度とごめんだな」と思うくらいハードな時期でもありました。ほろ苦い記憶、とでも申しましょうか。世の中を知らなかったし、自分を知らなかったし、不器用で傷だらけだったけど、ちょっと変な自信はあって(笑)。でも、たぶんあの頃は、みんなどこかそうだったのかもしれませんね。彼女を偲ぶ事を発端にして、自分の歩いてきた道(20年分!)を思いがけず振り返る時間となりました。


21日(日)昨日から強い風が吹いてます。

三連休の初日、思い立って高松まで出かけてきました。ワタクシが幼少時から小学5年の夏前まで過ごした地です。仕事で行く事はあっても、なかなか自由な時間はとれず、住んでいた場所を訪ねるというような事は全くできないまま数十年経ってしまいました。このところの「讃岐うどんブーム」や、高速道路のETC割引など話題になって、機会があれば行ってみたいと時々話していたのです。仕事柄なかなか休みの合わない我々夫婦、一日だけ休みが合うという事で、日帰りなので滞在時間はあまり取れないけれど、思いきって車で行ってみる事にしました。

やってみたい事がいくつかありましたが、動けるのは午前中から15時くらいまで、そうしないと帰宅時間が遅くなって翌日の仕事に差し支えるという事で、かなり限られた時間の中、まずは住んでいた家を探してみる事に。

ダンナくんのiPhoneと勘を頼りに、住所を見ながらちょっと廻ってみましたが、景色が全く違う上に番地もよくわからないので、交番に行ってみました。可愛らしい佇まいです。

ところが、あいにく留守。仕方ないので、壁に貼られた地図を見て、小学校の位置や神社の位置から、だいたいの在処を特定して行ってみる事にしました。

と、ここで思いがけないアクシデント勃発。

車を出して、その方向に行ってみようと道を右折したら、ちょうど交番に戻ってきたパトカーが見えました。「あ、戻ってきはったね。」とそのまま道に出たところでサイレンが鳴りました。
警「ハイ、前の大阪ナンバーの車、左に寄って下さい。」
なんと右折禁止だったようです。あらまー、しょうがない。左に寄せて止まりました。
警「右折禁止の標識はご存知ですか?」
平「はい。。でも標識があるのは知りませんでした。」
警「でもねー、禁止には違いないんですよー。一応今回は注意という事で、点数とか罰金とかはありませんが、この書類だけ書いて下さいね。」
平「わかりました。すみません。。」
警「これからどちらに行かれるんですか?」
平「彼女が昔このあたりに住んでたんですが、住所がよくわからなくて交番で聞いてみようと思ったら留守だったんです。で、壁の地図を見てたぶんあっちかな、と向かったところでした。」
警「あー、そうでしたか。住所はどういう?」
平「今里町○○-○です。」
警「そうですかー。だいぶ前に整理されたからねぇ。。見つかったらいいですねぇ。じゃ、気をつけて。」
平「はいー。」

とまぁこんなやりとりの後、地図で見た辺りに移動、しばらくグルグルと住宅地の中を徐行しながら探しました。偶然曲がった道に、友人の家を発見。「この裏に違いない!!行ってみて!!」
大正解でした。住んでいた家は残念ながらもう姿を消していましたが、間違いなくあの頃に走り回った道に到着。

本当に懐かしい空気でした。写真を撮ってくれたダンナくんは、「小さい時の知ちゃんが見えた」と言っていました。そんな顔になってたかもしれないな。まだちっちゃかった妹たちとよくケンカもしたな、と思い出して苦笑いしたり、飼っていた犬の事を思い出したり。お隣に住んでたユカリちゃんちもありました。角のコジマさんのお宅も確認。みんな元気だろな。よし、と気持ちを切り替えて移動。

楽しみだった讃岐うどんで昼食。二人とも釜揚げうどんを注文。

まだ11時前だというのに、お店にはひっきりなしにお客さんが出入りしていました。ダンナくんも「これはウマイ!うどんも勿論やけど、このつけだれも美味しいなぁ!」と感激していました。このお店は、以前マリンバの通崎さんと、彼女のファンだという高松在住の女性と三人で訪ねた事があったのです。美味しかったので、是非いつかまた来ようと思っていました。

その後、思い出のパン屋さんや懐かしい商店街をプラプラ散歩、短時間ではあったけれどなかなか充実した一日となりました。お彼岸の時期に、こんなに懐かしい空気に触れられて、きっと父が連れてってくれたのだろう、と思ったりしています。長距離をほとんどずっと運転してくれたダンナくんにも感謝です。また今度、ゆっくり時間をとって行ってみよう。

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