2009年8月の独り言

3(月)誕生日は絶好の洗濯日和!

今年の大きなヤマのひとつだった「The Premiere Vol.1〜真夏のオール新作初演コンサート」が昨日終わりました。

ワタクシが今回弾かせて頂いたのは、鷹羽弘晃作曲「立原道造の4つの心象」(女声合唱)と、松本望作曲 谷川俊太郎作詩「天使のいる構図」(男声合唱)の2曲。鷹羽作品を島根のPLOVER Pure Blueberry、松本作品をなにわコラリアーズがそれぞれ演奏しました。

鷹羽作品は、立原道造の詩から立ちのぼる儚く淡い色合いを、現代的な和音や大胆な音の跳躍を使って見事に表現、今までにない雰囲気の女声合唱曲が生まれました。調性を取払い、伴奏の音数も非常に少ない中で詩が浮かび上がる「田園詩」、流れるようなピアノの分散和音に乗った「夢のあと」、ゆったりした二分の二拍子に乗り、休符にニュアンスを含ませたような「夏へ」、ミステリアスな印象の「何処へ?」。合唱部分にもピアノにも浮遊したようなフレーズや、解決の糸口の見えないような和音が鏤められ、言葉と音がイメージと絡めてあります。個人的には3曲目「夏へ」の置いてけぼり感、「プラットホーム」に入るppからのフレーズが気に入っています。
松本作品は、谷川俊太郎の有名な「クレーの天使」から詩を選び、曲の流れと照らし合わせ、断片的に使っていく方法で作られています。アカペラ「Prelude」で始まり伴奏付き「Capriccio」「Tempestoso」と続いてアカペラ「Intermezzo」、終曲は伴奏付きの「Finale」。斬新な和音やリズム、Vocalise等が要所要所で効果的に使われており、第1曲目冒頭静寂から衝撃的な展開で始まります。自らが優秀なピアニストとして留学先でも忙しい中、こんな大作を書き上げるなんて、まったくスゴい人が出てきました。特に「Tempestoso」のグルーヴする感じは気持ちよく、最後に悪魔がほほえんでやってくるくだりなど毎回シビレます。

今回どちらの作品も、手元に届いてからそれほど時間が経たないうちに本番を迎える事になり、普通数ヶ月かけてじっくり取り組むところを、短時間で凝縮して読み込む作業が必要でした。でもそのお陰で、あたかも自分のために作られたかのように、知らぬ間に愛着が湧いていたのです。単純にかけた時間だけでは「共感」の度合いは計れませんね。

4団の単独ステージが終わった後、第5ステージとして信長貴富「アニソンオールディーズ」が演奏されました。今回の4団が歌う事を想定して編曲された「日本昔ばなし」や「巨人の星」などなど、抱腹絶倒だったり、ほろりときたり、名アレンジを心から楽しませて頂きました。アンコールとして信長さんの指揮による「鉄腕アトム」。コンクールで常に優秀な成績をおさめる実力派の4団が、和やかな表情で舞台にずらりと並び、緊張が解けた様子でのびのびと歌っているその姿と、紡ぎ出される最高のサウンドに、思いがけず泣かされました。そうか、ここにこのコンサートのもう一つの目的があるのか、と。なるほど、信長さん、サスガです。

このコンサートを聴いた後に「自分もどこかで歌いたい!」と思って下さって、出版された楽譜をお買い求めになったり、あるいは後日販売予定のライブ音源をお手元に置いて頂けるとしたら、こんなに嬉しい事はありません。あとは、初演をしのぐ素晴らしい再演がされる事を祈るばかりです。

そうそう、打ち上げで挨拶する事になり、既に酔っぱらった感じになっていて、また変なコメントになってしまった模様なのですが(苦笑)、終わって座ろうとしたらお隣にいた作曲家の北川さんに
「えー、平林先生は明日がお誕生日でーす!」
と発表され、そこにいらっしゃる皆さんでハッピーバースデーを歌って下さいました。これは嬉しいサプライズでした!最後の和音が聞いた事のない感じでディビジョンしてたり(素敵)、出会ったばかりの方や先生方にもお祝いして頂きながら、「あぁ、今このDVDが欲しい!」と思ったくらいです!(笑)

最後になりましたが、今回も声をかけて下さった伊東さん、いろいろ取り仕切って下さった藤田さん、譜めくりスト佳子ちゃん、素晴らしい共演者PLOVER Pure Blueberryとなにわコラリアーズの皆さん、楽しい時間をありがとうございました。その他出演者の皆様、作曲家の皆様、お世話になったスタッフの皆様、全ての関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。そして応援に駆けつけてくれた家族や友人はじめ、聴きに来て下さった皆々様にも心から感謝いたします。


13(木)晴れたり、くもったり、にわか雨も。

皆様、残暑お見舞い申し上げます。

9日に大阪センチュリー響の宮本夫妻との共演が東京でありました。聴きに来てくれたダンナくんと、そのお友達Tさん(千葉県在住)と一緒に、夜は東京駅近辺で打ち上げ。その一部をご紹介しますと、
お刺身7種盛り。



あぶりしめ鯖。



食べて飲んで、いろんな話をしているとグラグラッ、床ごと揺れました。地震です。後でニュースを見たら東京23区内は震度4だったそうです。結構長く揺れてヒヤヒヤしました。
東京には、そのまま昨日まで滞在しました。この旅はどうやら台風と一緒に移動したらしく、最終日にやっと晴れたような悪天候でした。しかも、その初日の夜と3日目の早朝にも震度4の地震がきたのです。被害の出た地域もあったようですね。一日も早い復興をお祈りします。

さて、今回の東京滞在はひとつ大きな目的がありました。それは、
「落語三昧」。
去年同じく東京で初めて生の落語を聞く機会があり、ライブの楽しさを知ってしまいました(笑)。音楽と同じ事ですよね。生きた表現、生きた反応、エネルギーのやりとりが実に面白いのです。
まず10日は浅草演芸ホール。当日券を買うために10時頃から並びました。その間も雨が降ったり止んだり。



笑点でもお馴染みの小遊三さん、昇太さん(ストレスネタで大爆笑!)が出られたり、前から気になっていたバイオリン漫談のマグナム小林さんの芸や、右紋さんの「目医者さんのネタ」もツボでした。終わって浅草寺をお参りし、近くの甘党屋さんで一休み。



11日はワタクシにとって初めての上野鈴本演芸場へ。



この日のお目当ては、なんと言っても圓歌師匠です。そして待ちに待った出番、演目は「中沢家の人々」!ワタクシたちが密かに一番期待していたネタです!内容は知っているのに、やっぱり面白くて爆笑してしまいました。内容も面白いけれど、その口調のトボケた感じや悪態をつく感じ、なんとも言えない間合いなどに、つい引き込まれて笑ってしまうのです。
終わって元気があったら、東京ドームへ日ハムvsオリックスを観戦しに行こうと予定していたのですが、とてもとてもそんな体力は残っていず、圓歌師匠の余韻も楽しみたくて、野球観戦を断念し、銀座での散歩を楽しんだ後ホテル近くのもんじゃ屋さんへ直行。知らずに入ったお店でしたが、美味しく頂きました。



12日は、去年知り合った雷門花助さんの落語を聞きに池袋演芸場へ。ここは二人とも初めてでした。こじんまりしていて、舞台と客席がすごく近く、何度も噺家さんと目が合ったような気がして、ちょっと照れくさかったのですが、他の演芸場にない雰囲気がまたあって、いい所でした。花助さんは去年より余裕が感じられて、元々丁寧な感じに好感が持てる噺家さんで、また次回が楽しみです。紙切り芸の林家花さんの「御神輿」を頂いて嬉しくなり、帰りにLoftでそれを飾るための額を買いました。

いつもより忙しかった夏前、それを癒すために東京で落語三昧。大変有意義で楽しい夏休みとなりました。ホテルから少し歩くと、東京タワーが見えたのでパチリ。
東京よ、楽しい時間をありがとう。




16(日)くもりっぽい。

久しぶりに釣りに神戸まで出かけました。
金曜日、その数日前の週間予報なんかではお天気がアヤシイと思われていましたが、青空が広がって、向こうに淡路島も綺麗に見えて、最高の日和でした。

釣れなくて凹んでいる訳ではありません。投げた糸を引き寄せ中です。


ワタクシは投げずに足下へ垂らしてみました。その途端に、イワシの群れがグオーッと寄ってきて、ハリをつんつんと突っつきます。始めは6号の仕掛けを付けていたのですが、少し大きくて食いが悪い感じだったので、4号に替えたところ、イワシが連なり始めました。

まず最初に2連です。


一番多かったのは、5連でした!
(あ、写真では4連ですが既に1尾取れて足下にいるのです。これホント。)


全部でイワシが62尾といい形のベラが1尾。塩焼きと生姜煮で頂きました。




また海の恵みに感謝です。次はアジ、狙いたいなぁ。。


25(火)急に朝夕涼しくなりました。

日曜日、お母さんコーラス全国大会にカンティ・サクレが出場するため、松山へ。大会は土日の2日間開催され、団員の約半数が土曜日から現地入り。でも出番は2日目の夕方という事で、ワタクシも含めて他の団員は当日朝の飛行機で現地入りしました。

今回で4度目の全国大会です。なんと2年に一度行かせて頂いている訳ですね。有り難い事です。結成してすぐの滋賀県びわ湖ホールから始まって、長崎県ブリックホール、鳥取県梨花ホール、そして愛媛県ひめぎんホール。ワタクシも、合唱の伴奏をしていなかったらきっと立つ事のないような、その地方で一番大きくて立派なホールで演奏する機会に恵まれています。
今回のひめぎんホールは3000人収容。舞台に上がるまで「響きはちゃんと届くだろうか。。」と不安に思うところもありましたが、いざ歌ってみるととてもいい響きで、大勢のお客様を前に気分も乗って、気持ちよく歌えた様子でした。ピアノもホールに相応しい立派なスタインウェイが備えられており、鳴りが良すぎて合唱とのバランスがちょっと心配ではありましたが、実に素敵なピアノでした。残念ながらひまわり賞は逃してしまったけれど、ドイツ語である事や、ロマン派の音楽である事に苦労しながら勉強してきたブラームスを、全国から集まった方々に聴いて頂く機会があったのは光栄ですね。

その夜は温泉旅館で打ち上がって、いいお風呂を頂いて一泊し、翌日は道後温泉街を少し散策。

街中の住所の札にも趣がありますね。


有名な道後温泉本館。明治27年に建築されたのだとか。風格が違います。


数名の団員さんと足湯へ。道後温泉駅前の「からくり時計台」のすぐ横にあります。
アイスキャンデーを食べながらの足湯にご機嫌な様子。


熱いめのお湯でしたが、気持ちよかったです。


バスに乗る前に一枚。道後温泉駅の駅舎。


食べ物は美味しく、人は優しく、温泉のお湯は柔らかく、町並みはのどかで、松山はいいところでした。また、団員さんたちと初めて泊まりでゆっくりいろんな話ができたし、今後の課題なども真剣に考えたり、有意義だったと思います。ワタクシはただ付いて行っただけですが、大人数で移動するにあたり、いろいろご苦労もあったはずです。旅行の手続きやスケジュール管理を担当して下さった係の方々、本当にありがとうございました。

さぁ、全国大会に出場した事で、なんとなく後回しになっていたあれやこれや、ここからしっかり手綱を引いてスピードアップで、しかも内容充実でいかねばです。頑張っていきましょう!

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